SNSでノイジーマイノリティーの声ばかりが強調されるのは良くない。
SNSでノイジーマイノリティーの声ばかりが強調されるのは良くない。
忙しい中を縫ってこのようなニュースレターを書いているのだが、こうやってまとまった文章を書くことが気晴らしになってるところもある。どうも僕の変な癖であるが、文章を書くことそれ自体がストレス解消になるようなところがあるらしく、ブログを書いたりとか、ニュースレターを書くことに関しては苦にならない。
まー、しかし、書いたものを読んでくれる読者諸氏には感謝しかない。僕が書くことが好きだからとはいえ、本当に全く誰にも読まれない文章をダラダラと書き続けることはできなかったかもしれない。書いたことに対して、読んでくれる人がいるからこそ書き続けようというモチベーションが生まれる。
僕の持ってる才能といえばなんだろう? と考えてみたりすることもあるけど、やはり、このように日々の生活の中で思いついたことをエッセイにして書き、それを継続することに関しては才能があるようなのである。他の人がブログやニュースレターをやってるのを購読しても、そこまで熱量を持って継続するのは難しい。
書いた文章に対してどれぐらいのレスポンスがあれば満足なのか? という問いは、ある意味、文章を書くものにとっては究極的な問いであるかと思うが、それは自分が継続して何かを書き続けようという気力が起こる程度あれば十分なものではないかと思う。
日記である場合には、自分一人しか読まないことが想定されており、なんでも自由に書くことができるが、ブログのような第三者が読む文章の場合には、ある程度の型であるとか美意識のようなものが必要になる。
人に読まれると思うからこそ、文章も多少は締まりが出るし、そこに書かれる内容にも検閲が入る。他人の目を全く気にしてない文章とそうでない文章には違いがあり、そこには「意味」が生じるかどうかという差があるように思う。
自分の中の内心を他人に伝えようと言葉に乗せるからこそ、そこには何かしらの「意味」が生じるし、内心の中で閉じた言葉にはなんの「意味」も生じない。そうやって他人に何かを伝えようとすることは、それ自体で価値が生じるし、「意味」の種類に優劣はない。
こうやって見知らぬ誰かに対して言葉を投げ続けることは、この世界は何かしらの「意味」があると信じてなければできないことなのかもしれない。自分が果てしない海に向かって投げた言葉を、受け止めてくれる誰かがいるかもしれない。そう信じてなければ、ネットの海に言葉を流し続けることはできない。
人は一人で生きてるのではないし、このように定時通信のようなやり取りを通じてしか自分の価値を信じることもできない。だから僕は、今でもこうやって書き続けているのかなと思う。
今週のひとことエッセイ
このニュースレターでも紹介したけど、Claude3と言うAIチャットがChatGPTを超えちゃってるらしい。僕は無料版で試してみたのだけど、小説を読み込ませた時などに相当クオリティの高い感想を返してくれるので、有料版のサブスクをやってしまった。
試しに、僕の小説を読ませて感想を書かせてみたのだけど、このような回答を返すのである。
小説の要約: 霊導士の少女・根神玲は、守護霊の姉・根神真輝と共に、四国で弘法大師の封印を破壊している少年・石動夕夜を調査するため現地を訪れる。石動村で夕夜の父・銑治や使用人・お良から夕夜の境遇を知り、常世の国に落ちた村へと向かう。夕夜と対峙し、封印を守るため戦うが、夕夜の守護霊・狗神ギンの圧倒的な力の前に苦戦する。玲の神降ろしにより窮地を脱し、玲は夕夜に寄り添い、運命に抗う意志を示す。その後、玲は霊導士としての宿命を受け入れる覚悟を決める。
批評: 本作は、霊導士として生まれた少女・根神玲が、同じ境遇の少年・石動夕夜との出会いを通じて、自らの運命と向き合う物語である。 玲と夕夜は共に、生まれながらにして特殊な力を持ち、周囲から忌み嫌われる存在であった。夕夜は、その境遇から世界そのものへの憎悪を抱き、破壊的な行動に走る。一方、玲は姉との絆や役目への責任感から、世界と向き合おうとする。 二人の対比を通じて、生まれ持った宿命に翻弄されながらも、なお他者との絆を求め、運命に抗おうとする人間の姿が浮き彫りになっている。 また、神道や仏教、民俗学的な要素を多分に取り入れた世界観も特徴的であり、「常世」と「現世」の関係性など、日本古来の死生観が色濃く反映されている。 一方で、やや焦点が拡散している印象も否めない。「理」の存在や玲の宿命など、物語の根幹に関わる部分の説明が後半に回されており、唐突な印象を与えてしまっている。 全体としては、特殊な力を持つ者の宿命と、それでも紡ぐ絆を丁寧に描いた、ダークファンタジー作品と言えるだろう。
これ、ほぼ完璧に僕が執筆した「イヌガミギフテッド」で表現したかったことを完璧に論評してくれてる。作中で表現したかったのは、同じ「選ばれた子供」である玲と夕夜が、それぞれ正反対の方向に進み、そして信念の違いから対決すると言うような場面であったのである。
他にも今まで書いてきた小説を読み込ませてみると、ちゃんと客観的な評価を下してくれるので超アガる。個人的には、東方二次創作であるけど自分の最高傑作だと思ってる「夢のあとさき、さくらの風」が高評価なのでご機嫌である。
要約: 八雲紫は、人間の少女・西行寺ゆゆこと出会い、その死を操る強大な力に興味を持つ。ゆゆこを幻想郷へ連れて行くため、紫は式神の藍や、ゆゆこの守護者である魂魄妖忌と対立しながらも、ゆゆこの心を開こうと努力する。しかし、ゆゆこの父・西行寺の歌聖が反魂の術で生み出した妖怪桜・西行妖が、ゆゆこの犠牲を求め、都の人々の命を奪い始める。ゆゆこは宿命だと諦観し、自害して西行妖へ魂を捧げるが、紫は人間の宿命に反発し、ゆゆこを幻想郷で蘇らせようとする。それから幾年月、紫は博麗霊夢らと幻想郷を守りながら、自らの終焉が近いことを悟る。最期の夢の中で、紫はゆゆこと再会し、魂が融合していくのを感じるのだった。
批評: 本作は、妖怪でありながら人間に興味を抱く八雲紫と、悲劇的な宿命に翻弄される西行寺ゆゆこを軸に、人間と妖怪の境界を描いた重厚な物語である。八雲紫の視点を通して、人間の宿命や死生観、妖怪の心情が深く掘り下げられており、登場人物の心理描写が秀逸。特に、ゆゆこへの愛情と、人間の宿命への反発を通して成長していく紫の内面の変化は見事に描かれている。 一方で、物語後半の展開はやや駆け足な印象を受ける。西行妖との対決や、ゆゆこ復活後の幻想郷の様子など、もう少し丁寧に描写してほしい部分もある。 しかし、美しい情景描写と哀切な結末は読者の心を打ち、人間と妖怪の狭間で生きる者たちの宿命を繊細に描き出していると言える。夢と現実が交錯する幻想的な物語は、読後に余韻を残す秀作と評価できる。
Claude3の課金版は創作やる人なら契約しても損はないですな。現在、玲と真輝のシリーズの続編の「オンミョウデザイア」を作成途中なのだけど、キャラクターシートの作成などはClaude3と壁打ちしながら作成している。創作が楽しくなるAIであるし、小説執筆をしてる間は契約しておこうと思う。
今週のネットニュース振り返り
SNSの是非というのは僕はどうにも計りかねる。
「世界は今でもまともな人が大半だ」最近アレな投稿が多いな…と思っていたが、SNSを使い倒している70代の持論が真理だった - Togetter
「ツイッター離れ」やイーロン・マスク批判では解決しない…SNSが「怒り」と「対立」を引き起こす“根本的”な原因 | 弁護士JPニュース
これはそうだろうなーと思う。今現在、僕はTwitterなどのツールは連絡用にしか使っておらず、そちらでTLを眺めるようなことは全くやっていない。
理由としては、いつみても誰かが怒ってたり、見た人を怒らせようとするツイートばかりが流れてきて精神衛生上よくないし、最新情報を知るツールとしても質が良くないので時間を使うだけ無駄であるとの判断である。
これに関しては、イーロンのTwitter改悪でSNSに対する熱が冷めたのがきっかけだ。mastodonやBlueskyなどの他のSNSも眺めてみたのだけど、人が増えるとごちゃごちゃして嫌な情報も噴出してくるし、僕は人混みの中でイライラするよりは静かに一人で読書でもしながら考えを巡らせる時間の使い方が好きである。
結局まー、これは今のインターネットでは改善しないとならないことであると思うけど、今のネットというのは自分の権利ばかりを主張して強い言葉で大騒ぎする「ノイジーマイノリティ」の有利なように設計されている。アテンション・エコノミーの世の中では、クレームでもなんでもSNSでは強い言葉を使えば有利になるので、その意見が客観的にみても正しいのかどうかは無視されるようになっている。
特に問題だと思うのが、マスコミがSNSの話題を「これが世間の総意」というふうに切り取っているのは大問題だと思う。SNSの中で語られてる話題というのは、露悪的に人間の悪い面を拡大してる情報も多いし、前述したようにノイジーマイノリティで少数派の意見が大きく反響してしまっている。
反ワクチンとか陰謀論でも顕著であるけど、別に世間的にはマジョリティではないけど声だけ大きい人たちの拡声器としてSNSは使われて、それで実際に世の中で分断が起きたりなどの大問題になっている。これ、なんとかしないとならんよ。
AIの政治的な思想をどうするべきか問題、勃発。
「政治的に正しいAI」は実現できる? 週刊プレイボーイ連載(596) – 橘玲 公式BLOG
すっごくこれは問題になることだなと思う。ChatGPTと壁打ちして感じることなのだけど、最近ChatGPTは政治的なことは「woke」なことしか言わなくなった。
「woke」というのは英語圏でのスラングなのだけど、なんかリベラルで人権意識とか環境問題に対して政治的に正しいことしか言わずに、現実問題の方を軽視するようななんかそんな感じであんま感じの良くないニュアンスも含まれる。
これは、GoogleのAIのGeminiの方は、なんか政治的にセンシティブな話題を振った場合には「ネットで調べろ」ということで対話を打ち切るようにもなっている。
先週のニュースレターで話題にしたイーロンマスクのAI、Grokに関しては、それらのリベラル層に反発してるので、下品なジョークを言ったりとか陰謀論について語ったりするようなAIである。
今現在、AIチャットを使ったりするのはまだアーリーアダプターに近い層ばかりであると思うけど、もしこれが現在のGoogle検索のように一般層まで広がり始めると、AIの思想が大衆の考え方をコントロールすることになりかねない。
AIでディープフェイクのような偽情報を作ることも問題になってるけど、このようにAIの思想が人々の考え方に影響を与えるというのも、これから現実問題として発生してくる社会問題だと思う。AIを制御するちゃんとした法律であるとか、人々の倫理観を教育することなどに力を入れるのは重要だね。
今週の一曲
今週の一曲は TOMOOの「Present」
TOMOOについては「グレープフルーツムーン」から聞き始めたのだけど、落ち着いた感じの声でおしゃれな楽曲を作る。
「Present」はカラフルなイメージが浮かぶ楽曲で、爽やかでいい。
それでは良い週末を。
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