インターネットの「暗い森」を歩く我々はどこに辿り着く?
インターネットの「暗い森」を歩く我々はどこに辿り着く?
今週末はキッチーなー。土曜日に僕の高血圧の定期受診のために病院に行っていたのだけど、母親が昨日から右目が腫れているというので、土曜日に内科と眼科の病院二箇所をハシゴである。
そのせいで今日はニュースレターを書く十分な時間が取れない。このニュースレターを書くためには2時間ぐらい時間がかかるのだけど、この前置きを書き始める段階で16時半ぐらいなので、おそらく送信するのは18時から19時ぐらいだろう。
しかもこれを書き終わった後にブログも書かねばならぬのである。一体まー、なんでここまで時間に追っかけられながら毎週書きまくる生活をしてるのか意味不明なのであるが、これは僕が好きでやってることであるのであんまぐずぐずと愚痴ばっかいうのはやめよう。
別にブログを書いたりとかニュースレターを書くことというのは、何かの負い目があるとかで義務感で書いてるものという訳でもないんだよね。書き始めるときはしんどいけど、文章を綴ってるときは楽しいし、書き終わると満足感もある。
物書き趣味で有名人になろう! という思惑はないけども、個人の趣味として書いたものをネットで情報発信するというのは、なかなかの満足感があってコスパが良い趣味である。
たまに書いた文章に読んだ人からレスポンスももらえたりするであるし、ちゃんと書いたものを誰かに読んでもらえるということはありがたいことであるよね。ひとまず、ニュースレターについても可能な限りは毎週土曜日は必ず発行して、いろんな人に読んでもらえるように自助努力はしよう。もしよければ、友人などに「こんなのあるよー」的な感じでオススメしてもらえると、主に僕が喜びますね。
今週のひとことエッセイ
最近の僕はAIを使って何か自分のやってる作業を効率化できないか? ということで色々と技術的な調査をしてる感じ。ChatGPTは当然なのだけど、Metaの出してるLLaMAであるとか、最近、Googleが出してきたGemmaに関してはオープンソースなので無料でローカルで動かしたりすることが可能なんだよね。
手元で生成AIが無料で動くようにしておくと、いろんなタスクを無料でなんやかんややらせるためのシステムができるかもしれないなーと思っている。また、仕事の方でも大量のデータを分類しないといけないような企業課題もあるもんで、そこんところでAIを使ってシステムで自動的に必要な情報を分類できるようなシステムを作ることができたのなら、会社で肩身が狭い僕の立場もちょっとは良くなるかもしれない。
単純にAIを使って色々と遊んだりするのは面白いよね。専門的な話になってるけど、たとえば僕のブログについてるような本文を要約して表示するようなブログパーツがついてるけど、あれはちょっと前だと相当技術的にすごい人しかやれないような技術的にレベルが高いことだった。それがOpenAIがChatGPTのWebAPIを公開したことで、僕程度のプログラマでもちょろっとPHPでスクリプト書いてChatGPTを弄るだけで高度なことができるようになってるのである。
ChatGPT以後の世界では、IT職の人間に求められる技術スキルというのが相対的に今よりも高度なことが求められるのが当たり前になるんだろうなーと思う。
AIで人間の仕事がなくなる的な言説というのは、プログラマ職の人間にとっては直撃である。全くの素人であってもやりたいことがはっきりとしていて、ChatGPTに対する質問のやり方を知ってたら素人でも一からシステムを作ることができる。
今後の人生でもITで食っていこうと思うのならば、AIを使った仕事のやり方にシフトしていかないと、本当に食っていけなくなるかもしれないのである。こういうドッグイヤーな技術の進歩というのは、面白いけど恐ろしいことでもあるよなー。
今週のネットニュース振り返り
インターネットの「暗い森」を歩き続ける我々の未来はどうなっていくのか?
ますます「暗い森」になりつつあるインターネットの中で個人ブログを書くことの意味 - YAMDAS現更新履歴
ウェブをますます暗い森にし、人間の能力を増強する新しい仲間としての生成AI – WirelessWire News
これは別に最新の話題ではないのだけど、ちょっと面白そうだなと思ったので取り上げる。20年代のインターネットを表現する言葉で「暗い森」と言われることがある。
これはSF小説「三体2 暗黒森林」から取られて言われ始めた言葉なのだけど、今のインターネットというのは、ちょっとXのようなSNSで何気ない発言をしたとしても、それが気に入らないという人に見つけられて吊し上げられたりしたら大炎上をしたりする。それが穏当な表現であろうが、本人に非がなかろうが、大衆が攻撃するに値すると判断された場合は知らない人たちから吊し上げられて私刑を受けるのである。
小説・三体の中の宇宙文明の研究でもそのような現象が発生しており、知的生命体が生まれた文明というのはそのうち自分の文明を滅ぼしにくるかもしれないから、さらに高度に進化した文明から総攻撃を受けることになる。なので宇宙では目立たないように存在をステルスすることが重要であり、地球文明はそれを知らなかったので周りの知的生命体の文明により目をつけられて滅ぼされることになる。
現状のSNSが進歩してるインターネット世界も同様で、何か人気をとるようなことをしたら、アンチが必ず発生して匿名掲示板などで悪口を書かれるのはセットである。全てのプレイヤーが相互監視で相手が何してるかを監視して、誰かが成功して自分よりも目立つことをやったのならば、力のない有象無象が集まってきて、全員で出る杭を叩き潰す。
こちらのニュースレターを発行してるSubstackというwebサービスは、そういう「暗い森」現象に反発する人たちが集まってる。欧米などではそういうSNSのムーブメントに嫌気がさした人たちというのが、みんなXのような短絡的な反応をするSNSをやめて、ニュースレターやポッドキャストに軸足を移してしまった。
個人でネットで情報発信をやるに当たって、「成功する」ということはどういうことだろうか? 多くの人たちに注目されてチヤホヤされることか? でも「暗い森」現象により、多くの人に注目されるということはそれに伴い、心無い誹謗中傷もセットである。
それよりは個人コミュニティのような、限られた人たちだけで交流をするような小さな輪を自分で作って、そちらで自分の気持ちいい空間を作れば良いのではないかと考える人たちが出てきた。ニュースレターやポッドキャストというのは、興味のない人はそもそも関わろうとしないし、そこで自分のコミュニティだけに籠った方がマシだと考える人が多いのである。
僕自身の考えでは、ネットで大きなことを言って反応を集めることについては、別にそれで商売をする気もないのでやらないことにしてる。イーロンマスク以降のTwitterに関しては、夜郎自大で口先ばかり大きくて内容を伴ってない連中の発言ばかりなので、あれに加わると誇大妄想に囚われて思想が歪む。
なんでまぁ、僕もネットで活動するスペースに関しては個人ブログとニュースレターだけで十分かなと考えた。僕がやりたいことは地に足をつけて、自分が毎日の生活の中で気がついたことを文章で綴ることであるし、自分がコントロールできない場所にまで書いたことがリーチするのはめんどくさい。
Googleが使い物にならなくなったからこそ個人データベース。
退屈じゃないこともAIに任せる « SOUL for SALE
なるほどなーと思った。こちらの方で書かれてる個人データベースの考え方は僕が以前から書いてたことをちゃんと言語化された気がする。
Googleが使い物にならなくなってるというのは、僕も最近気がついてブログやニュースレターでも書いてるし、他の人たちも言っている。特に個人ブログというのは最近はGoogleから追放されたので、検索ではヒットしなくなった。
Googleと生き、Googleで死ぬ(かも) あるブログ運営者の苦悩 - Impress Watch
Googleは大手サイトを検索で優遇している、個人サイトに勝ち目はない!?
それでGoogleの質が良くなったのかー? と問われると、検索でヒットするのが企業サイトの内容の薄い掲示板だったり、口コミサイトのどうでもいい情報ばかりであり、本質的な情報が見つからなくなった。
これは、技術系の情報で顕著であるんだけど、技術のことでわからないことがあった場合、その技術のことにやたら詳しい謎の素人のブログというのが役立つことが多いんだけど、Googleの11月のコアアップデート以降、そういうサイトが全く見つからなくなった。その代わりに引っかかるのが、プログラミングスクールのSEO対策で水増しされて内容が全くない企業ブログであったり、stack over flowをコピペしてるだけの機械生成されたSPAMerのサイトである。
なんでまぁ、必要な情報については自分で個人データベースに普段から蓄積しておいて、必要な時にはそれを検索するようなシステムを構築しておくのが必要であると最初の方の記事で書かれていたのである。これに対しては僕は全くの同意で、僕自身もそのような個人データベースのシステムを自作してる。
僕の場合ははてなブックマークとRaindrop.ioとScrapboxでそのようなシステムを構築してるのだけど、はてなブックマークでブックマークした記事についてはRaindrop.ioにミラーリングされるようにしてる。理由としては、はてブはブックマークするときのタグ付けなどのシステムは使いやすいけど、検索機能がダメダメである。そこは全文検索や期間を絞ったり、タグと全文検索を組み合わせて使えるRaindrop.ioで検索できるようにデータをコピーしてるのである。
で、普段何か思いついた時は、Twitterにでも呟くようにScrapboxに書き込むようにしてる。Webサイトを見ていてそれが有益そうなら、Scrapboxにリンクを貼って豆論文を書いている。
そして、たまにScrapboxを読み返して関連する情報などをリンクで繋いでおくなどすると、新しいアイディアが浮かんだりとかバラバラの知識が一箇所でまとまったりする。この時点でブログに記事として書いたり、Zennで技術ドキュメントを書けば良いのである。
この手の知的生産システムの構築というのは昔から興味があった。別に新しい知識を探すのであればGoogleに頼らなくとも、自分で普段から図書館の本やRSSなどで情報収集を個人データベースに蓄積しておいて、そこから新しい知識を生み出せば良いのである。
今週の一曲
今週の一曲はCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」
Creepy Nutsのこの曲はTikTokからすごい人気が爆発しちゃったみたいで、Spotifyのグローバルの上位ランキングに食い込んでしまった。
確かにすごい中毒性が高くて、「Bling-Bang。。。」のシーンなんかは頭でループする。
それでは良い週末を。
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